えきそば|特徴・食べ方・由来
和風のだしに中華麺という組み合わせが、初めての方をいちばん驚かせるのがえきそばです。生まれた背景と味の輪郭、家庭で近い一杯に寄せるときの考え方をお話しします。
えきそばとは
えきそばは、兵庫県姫路市の駅で親しまれてきた麺料理です。そばと名が付きながら、使うのはかん水を含んだ黄色い中華麺で、汁は和風のだしにしょうゆを合わせた澄んだものが基本になります。天ぷらやきつねを載せ、立ったまま数分で食べきる一杯として定着しました。
特徴
- 麺は中華麺で、だしは和風。この組み合わせが最大の特徴です。
- 汁はうす味に見えて、だしの香りがしっかり立ち、麺の香りと打ち消し合いません。
- 提供が早く、注文から一分ほどで出てくる速さも込みでの味わいです。
食べ方・楽しみ方
- まず汁を一口。だしの香りを確かめてから麺に移ると、組み合わせの妙がよくわかります。
- 天ぷらは早めに崩して汁に溶かすか、最後まで形を残すか。どちらを選ぶかで後半の味が変わります。
- 麺は伸びやすいので、席に着いたら間を置かずに食べ始めるのがこの一杯の作法です。
家で楽しむなら
家庭では、市販の中華麺と和風のだしを別々に用意し、麺のかん水の匂いを一度湯通しで落としてから合わせると近づきます。だしは昆布とかつお節でとり、しょうゆとみりんで薄めに整えてください。合わせやすいのは、かき揚げ、きつね揚げ、かまぼこの三点です。
由来
戦後の物資が限られた時期に、そば粉やうどん粉が思うように手に入らず、日持ちのする中華麺を代わりに使ったことが始まりと伝えられています。急ぐ乗客に合わせて短時間で出せる形が磨かれ、土地の味として残りました。
講師への質問
- 家で近い味にするにはどうすればいいですか
- 中華麺を一度湯通ししてかん水の匂いを落とし、昆布とかつおの和風だしに合わせてください。汁は薄めが正解です。
- 麺は何を選べばいいですか
- 細めのストレート中華麺が近い食感になります。太い縮れ麺だとラーメンの印象に寄ってしまいます。
- そばやうどんで作ってもいいですか
- おいしくはできますが、それは別の料理です。中華麺と和風だしの取り合わせこそがこの一杯の骨格です。