梅仕事|手順と時間の目安
初夏の台所に青い香りが立ちのぼると、いよいよ梅仕事の季節です。梅の下ごしらえから梅シロップ、梅干しまで、家庭で無理なく進められる段取りを順にご案内します。
90分目安時間
なぜ・いつ必要か
梅が店先に並ぶのは6月を中心とした短い期間だけで、この時期を逃すと一年待つことになります。青梅は硬いうちにシロップや梅酒へ、黄色く熟した梅は香りが立つうちに梅干しへ回すと、無駄なく仕込めます。
用意するもの
- 4リットル前後の保存瓶または漬け込み用の厚手の袋
- 竹串またはつまようじ(へたを取るために使います)
- ざるとボウル(洗いと水切りに使います)
- 清潔な布巾と焼酎少量(瓶の消毒に使います)
手順
梅を水に20分ほどつけ、傷んだ実を取り除いてから流水で洗います。
理由: 青梅は特にあくが強く、水につける時間が仕上がりの澄み方に響きます。
布巾で一粒ずつ水気をぬぐい、ざるに広げて30分ほど乾かします。
理由: 水滴が残るとかびの出発点になるからです。
竹串でへたをそっと外し、実に穴を開けないよう気をつけます。
理由: へたが残ると渋みが出て、香りの邪魔になります。
瓶の内側を焼酎をしみ込ませた布巾でふき、完全に乾かします。
理由: 道具の水気を断つことが、長く置く仕込みでは一番の保険になります。
シロップなら梅と氷砂糖を交互に層にして詰め、ふたを軽く締めます。
理由: 交互に重ねると砂糖が下に固まらず、均一に溶けていきます。
梅干しなら重量の18%の塩をまぶし、重石をのせて3日ほど水が上がるのを待ちます。
理由: 早く水が上がるほど、実が空気に触れる時間が短くなります。
毎日1回瓶を傾けて全体を混ぜ、10日から2週間ほど様子を見ます。
理由: 動かすことで濃度の偏りがなくなり、発泡や濁りにも早く気づけます。
よくある失敗
- 水気を残したまま漬け込み、白い膜が浮いてしまう
- 青梅と完熟梅を混ぜて仕込み、硬さも香りも中途半端になる
- 砂糖を一度に上へ乗せてしまい、下の梅がしぼまず溶け残る
活用できる料理・場面
- 梅シロップを炭酸水で割る飲み物
- 梅干しを刻んで和える夏の和え物
- 梅を煮詰めて作る梅ジャム
- 取り出した梅の実を使う煮魚の風味づけ
講師への質問
- 仕込んだ瓶に白い膜が浮いたときはどうすればいいですか
- 膜をすくって取り除き、瓶の縁を焼酎でふいてください。梅を一度取り出してシロップだけ弱火で5分煮ると落ち着きます。
- 冷凍した梅を使うときはどうすればいいですか
- 解凍せず凍ったまま漬け込みます。繊維が壊れている分、砂糖が早く回り、1週間ほどでシロップが上がります。
- 塩加減に迷うときはどうすればいいですか
- 常温で保存するなら18%前後が目安です。塩を減らすほど冷蔵が前提になり、置ける期間も短くなります。