季節の和菓子|基本と押さえどころ
同じあんと同じ粉から、季節ごとに違う姿が生まれます。季節の和菓子がいつ何を表しているのか、材料と技法の関係、選び方と味わい方まで、暦をたどりながら見ていきます。
概要
季節の和菓子は、暦の行事や旬の風物に合わせて姿と材料を変えてきた菓子です。基本になる材料は小豆、米粉やもち米、寒天、砂糖といった限られたもので、その組み合わせと形で春夏秋冬を表します。春は葉や花を使ったもの、夏は寒天や葛で涼しさを見せるもの、秋は栗や芋、冬は餅を使ったものが中心です。行事と結び付いた菓子が多く、食べる時期がおおよそ決まっているのも特徴になります。
押さえどころ
- 春は桜の葉や蓬など、香りのある植物を使うものが目立ちます。
- 夏は寒天や葛で透明感を出し、冷やして食べる形が中心になります。
- 秋は栗、芋、柿など実りの素材が主役になり、色も濃くなります。
- 冬は餅や餡を使い、火を通して温かく食べるものが増えます。
- 生菓子は水分が多く日持ちしないため、当日か翌日までに食べるのが基本です。
- 干菓子は水分が少なく日持ちしますので、贈り物には向いています。
具体例
- 桜餅:三月から四月。塩漬けの葉の香りを餅とあんに移した春の菓子です。
- 柏餅:五月。葉で包んだ餅にあんを入れ、端午の節句に合わせて作られます。
- 水無月:六月末。三角に切った外郎の上に小豆をのせ、半年の区切りに食べられます。
- 水ようかん:夏。寒天でゆるく固めたあんを冷やして切り分けます。
- 栗きんとん:秋。蒸した栗に砂糖を加えて茶巾で絞った、素材の数が少ない菓子です。
- 花びら餅:年の初め。求肥に白味噌のあんとごぼうを合わせた、正月に出される菓子です。
実践のコツ
- 生菓子は冷蔵庫に入れると餅が硬くなります。涼しい部屋に置き、当日中に食べてください。
- 選ぶときは行事より半月ほど早い時期を狙うと、店に種類がそろっています。
- お茶は菓子の甘さで選びます。あんの強いものには濃いめの煎茶、繊細なものにはぬるめに淹れた茶が合います。
講師への質問
- 季節の和菓子はいつ買えばいいですか
- その行事の半月前から当日までが目安です。桜餅なら三月に入ってから、柏餅なら五月の初めが最も種類のそろう時期になります。
- 餅が硬くなったときはどうすればいいですか
- 蒸し器で2分ほど蒸すと戻ります。電子レンジを使うなら、霧を吹いてラップをかけ、10秒ずつ様子を見てください。
- 贈り物にするならどれを選べばいいですか
- 日持ちのする干菓子や最中が向いています。生菓子を選ぶ場合は、渡す日と食べる日を先に確かめてください。