鮭とば|特徴・食べ方・由来
かむほどに塩気とうまみが出てくる、北の海辺の保存食が鮭とばです。作られ方と選び方、固さの戻し方、料理に使うときの塩加減まで、台所での付き合い方をお話しします。
鮭とばとは
鮭とばは、秋に獲れた鮭を細長く切り、塩水に漬けてから寒風で干し上げた保存食です。北海道と東北の太平洋側で古くから作られ、酒の肴としても、旅先の土産としても親しまれてきました。名前の「とば」は、鮭を細く裂いた形を指す言葉から来たとされています。
特徴
- 水分を抜いてあるため身が締まり、かむほどにうまみと塩気が広がります。
- 皮付きのまま干したものと、皮を除いて薄く仕上げたものがあり、固さがまるで違います。
- 焼く、蒸す、炊き込むなど、そのままかじる以外にも使い道の広い乾き物です。
食べ方・楽しみ方
- 常温でそのまま。細く裂きながら少しずつかむと、後半に甘みが出てきます。
- 軽くあぶると脂の香りが立ちます。焦げやすいので弱火で片面20秒ずつが目安です。
- 固いものは日本酒を少し振ってラップで包み、10分置くとしっとりして裂きやすくなります。
家で楽しむなら
家庭では、細かく刻んで料理の塩気とうまみの源として使うのがいちばん実用的です。塩が強いので、加える料理の塩分は必ず控えめにしてから味を見てください。刻んで炊き込みご飯に、細く裂いてお茶漬けに、ほぐしてじゃがいもと炒めるバター炒めに使うと持ち味が生きます。
由来
冷蔵設備が乏しかった時代、秋に大量に揚がる鮭を冬まで保たせるために、塩と寒風を使う干物の技法が広まりました。船上や漁家の常備食だったものが、後に土産物として袋詰めされ、各地の売り場に並ぶようになったと伝えられます。
講師への質問
- 固すぎて食べにくいときはどうすればいいですか
- 日本酒か水を軽く振ってラップで10分包んでください。あぶってから裂く方法でも柔らかくなります。
- 保存はどうすればいいですか
- 開封後は密閉して冷蔵で2週間、冷凍なら2か月が目安です。乾き物でも脂が酸化するため常温放置は避けてください。
- 料理に使うときの塩加減はどうすればいいですか
- 鮭とばの塩気だけで足りる前提で組み立ててください。しょうゆや塩は最後に味を見てから、必要なら少量だけ足します。